ちゃ太郎の足跡
気ままの日記
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ちゃ太郎の リスボン日記 15  2009.3.30 

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3月30日 ひる

アンジョス、アロイオス、アラメダ、アレエイロ。
Aで始まる駅が続く、地下鉄緑ライン。
アラメダで降りるつもりが、アロイオスで降りてしまった。
紛らわしいだろ。
でも、毎週月曜日に利用するJR南武線には、
武蔵小杉、武蔵中原、武蔵新城、武蔵溝の口の武蔵4連チャンがある。
オアイコということで。
あらためてアラメダで降り、赤ラインに乗り換えて、オリエント駅へ。
ヴァスコ・ダ・ガマ ショッピングセンターと、11年前の万博跡地公園がある。
4年前に、夫婦揃って、ぎっくり腰になりかかった周遊トロッコは見当たらなかったが、
川辺(海辺に見えるが)を往復するだけの、ロープウェイに乗ってみた。
これも腰には良くないが、トロッコよりはマシってところ。
ポルトガル人は、世界一腰が丈夫なのだろう。
ひとりっきりのロープウェイの中で、ファドを熱唱してみる。
これ、いいかも。
到着前に「ハハハハハ…」と黄金バットのように(古い!!)笑ってみる。
いいかもしれない。

「パウロのカステラ」に入り、軽く食べて(寿司やシャケ弁もあるが、今回はポルトガル風味)いたら、
若い二人の日本人女性が来て、メニューで迷っていたので
声をかけたが、相手にされなかった。
香港マフィアにでも見えたのか。
売りとばしたりしないよー。
そう言えば、一昨日の若者たちも、別の町で一人旅の日本人女性に
声をかけたが、相手にされなかったっていってたなぁ…、
と思いながら、バイシャ・シアードで市電を待っていたら、
カイト君に会った。
「やぁ」 「あっどうも」
「どうしたの?」「おみやげ探しです」
「もう一人の彼は?」「別行動で買い物です。会いませんでしたか・」
「会ってないよ」 「これから何処ですか?」
「市電でコーヒー飲みに」 「3回目の店ですね」
「分ってるねぇ、彼によろしくね」
「わかりました」「じゃあね」
男っていいねぇ。
市電の28番で、ソパの美味しい行きつけ(と言っても3回目)のパステラリアへ。
入る時から笑顔だ。
「オブリガード」と言って店を出る時、
後ろから、「またどうぞ(だと思う)」と声をかけてくれた。
これも初めて、うれしいねぇ。

ちゃ太郎の リスボン日記 14  2009.3.30 

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3月30日 よる

「カルドヴェルデ」は休み。
「ルーゾ」へ。
ダニー・デビートが遠くから呼び込むので、
「オレだよ。」と言ったら、
「マフラーしてるから、分らなかった」なんてね。

入ると、あの“団体向けショー”の最後の方だった。
ボーイの一人が「この店で、モースト・フェイマス・ジャパニーズ」と言い、
ワインを頼むと「これを頼んだのを、覚えているよ」と、
ワインのハーフボトルを持ってきた。
3回目にして、大出世だ。
そして今日は、ついに、かぶりつきの席になった。
シウバのギターラと、あの兄貴のヴィオラのチョーチョーハッシのかけ合いは、
実にスリリングで、歌手のことを忘れてしまう。
これが「真打競演」だよ。
若い男性歌手も、声量はないが格調高い歌いっぷりだ。
ギターラのシウバが引っ込み際に、気づいて握手してくれたが、
ギター用のツメを付けたままで、ちょっと痛かった。
これも勲章のウチ。
インターバルの後は、あのオバちゃま。
1mの至近距離で聴くと、確かにうまい。
テクニックがあるから、超絶技巧の曲を選ぶ。
そして見事に歌いこなす。
声が全盛期の頃は、きっと凄かったに違いない。
隣のカップルが、視線を送ってきた。
よく見ると彼女は妊婦だ。
6ヶ月とのこと。
ポルトガル人かと聞いたら、カリフォルニアだと言う。
去年日本に来て、東京、横浜、鎌倉を周ったらしい。
「胎児にファドを、かぶりつきで聴かせるなんてシャレてるね。」
と言うと、親指を立ててニッコリ。
フィリップのそつない歌を聴いて、
妊婦のオナカにむかって手を合わせて健康を祈り、
これが最後かと思って、店の空気を思い切り吸って表へ出た。

地下鉄の長~~~いエスカレーターの下で、
若いカップルが、濃厚な愛の時間を過ごしていた。
彼の方が、降りて来た私を見たので、親指で合図したら、ニッコリ笑ってうなずいた。
今までいろんな人に応援してもらって来たが、こんな所で応援する側になろうとは。
早く帰って、寝ようっと。

ちゃ太郎の リスボン日記 13  2009.3.29 

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3月29日 ひる

時計を1時間、進めた。
今日から夏時間(サマータイム)。

フリーパスに3日分をチャージして、
メトロでバイシャ・シアードに行き、
休みの店を見ながら、
石畳をウロウロしつつ、
アルファーマに向かって歩き、
ドイツ人の乗る観光バスの溜まり場をすり抜けて、
ファド博物館でCDなどを買い、
同じ道を歩いて戻り、
パステラリアで水を買い、
店員から「シェーシェー(謝謝)」と言われて「オブリガード」と答え、
ポルトガル男性と日本人女性夫婦がやっている「パオロのカステラ」が休みなのを確認し、
工事中のコルメシオ広場の停留所で「ベレン行きの市電はここかい?」と
キスの合間に聞いて来たドイツ人カップルに「スィン、アキ」とポルトガル語で答えて、
10分待って、
やっと来た市電に乗り、
途中のカルヴァーリョの駅で 急に気が変わって、
慌てて降りようとしてステップを踏み外し、
でも 持ち堪えて平然と降り、

坂道を登って 国鉄「アルカンタラ駅」にむかい、
駅を横目に見て 更に坂道を登り、
クラート通りから左折、
ネセシダーテ通りの急坂に入り、
更に急な ポッソロ通りを登り、
更に急な パトロシニオ通りを登り切って、

サライヴァドカルヴァリョ通りから コエーリョダロシア通りの、
あのソパが美味しいパステラリアが休みなのを確認して、
歩いて プラゼレスにちょっと下り、
そこからバスに乗ってポンバル広場に戻るつもりが、
乗り間違って バスはカンポリデから北に進み、
見覚えのあるセッテ・リオスでやっとバスを降り、
傍にあるあの動物園の あのレストランで、
サーモングリルとビールで昼食をすませ、

メトロに乗って、
パルクで降り、
ホテルに帰り、
3時過ぎだと確認した時には、
とっても くたびれた。

書いてる私も くたびれた。

※ 志ん生の「黄金餅」をきいて下さい。

ちゃ太郎の リスボン日記 12  2009.3.29 

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3月29日 よる

昨日書き忘れたが、シャウトの達人おやじ・マジェルが、
2年前はなかったヒゲで顔面を覆いつくして、復活していた。
今日も「カルトヴェルデ」。
マジェルのシャウト、真っ最中。
衰えてないね、2年前のままだ。
40代にしては老けてる、60代にしては若い。50代って感じでもない。
(いくつなんだよ!!)
香川有見さん(?)は、アントニオに聞いたら、リンダという名前だった。
上手いね~。
そして、日本の若者の心を捉えた、あの娘はマリアだってさ。
(ポルトガル女性の半分は、マリアさんだと思う。)
いいよー、この娘は。
ズンズンと響いてくるね~。

隣の席の、ブラジル人女性(年配)2人といたオッさん(フランス人か?)は
ノリ過ぎて、店からペナルティー。
前のテーブルの若者4人組(ポルトガル人)。
その中の女の子はファド・マニアらしく、すべての歌を一緒に口ずさんでいる。
顔も体型も、ほがらかだ。
そこへ、若者2人が私の隣のテーブルへ。
25才と23才のイタリア人だって。
タバコを吸ってもいいか?と、私に聞くところを見ると、きちんと躾けられている25才だ。
23才のイケメン&ファンタスティック・ヘアーの彼は、既に酔いどれてて、ごきげんだ。

12時過ぎに、アントニオが歌い出した。
3曲目に私を呼び、あの至福の40秒。
歌詞を忘れた分、シャウトを豪華にして、よくウケた。
「チョー気持ちいい、なんも言えねぇ」(ちょっと古いか)。
アメリカン・コーヒーは嫌いだが、ポルトガルのコーヒーは好きだと言うイタリア人に、
コーヒーをご馳走。
また会おう、チャオー。

おっと、大事なことを忘れていた。
アントニオが、私を皆に紹介するから、などと言って名前を聞いてきた。
ウヒヒヒ、勝った。
「オレは、シャタだ。忘れやがって」と日本語で言ったら、
「オォ~、シャトー、シャトー」(間違ってるし…。でも、まぁいいか。
「シャタ」はポルトガル語としては、喜べない意味らしい。)

今日から“シャトー”で、ございます。

ちゃ太郎の リスボン日記  11 2009.3.28 

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3月28日 ひる

26→20→15  
この3日間の温度変化。
その上、乾燥と強風。
ということで、ヒジョーに寒い。
Tシャツの観光客は死にそうだ。

リスボンの目の前は、テージョ川(海ではない)。
大西洋に流れ込む手前で、川幅は広い所で15km、狭い所でも2kmはある。
その向こう岸の高い所に、両手を広げたキリスト像。
ブラジルのリオデジャネイロを真似た、110mの「クリスト・レイ」
行ってみよう。
フェリーで渡ればすぐだそうだ。
ところが「カイスドソドレ」という、音階のような所から乗るべきを、
「テレイロドパソ」から乗っちゃった。(2つの乗船所は、数百メートルしか離れていない)
500人は乗れそうな船内に50人程度。
ガイドブックでは「10分で到着」。
だが、着かないどころか「クリスト・レイ」がどんどん遠くなる。
25分後、どこかに着いた。
「バレイロ」という所らしい。
やれやれ、またやっちまったぜ。

折角だから、テキトーにバスに乗ってみた。
だが、フリーパスが使えない。
「ここはリスボンじゃないからね」と、
ドライバーが、初対面なのにニッコリしてくれたが、嬉しくない。
1,3ユーロ(170円)也。
茅ヶ崎駅から、アパート近くのバス停までと同じ値段か。
じゃ、15分位で終点かな。
そのまま40分、どこかの高台の団地に着いた。
風が強いので、広場の土埃がすごい。
マンゴーみたいな松笠が、カラカラ転がっている。マカロニ・ウェスタンか!
パン屋を兼ねた、パステラリアがあった。
コーヒーと甘い菓子パンを注文して、いつもの質問
「ここはどこ?」 
この瞬間が楽しい。
観光地じゃないところは落ちつく。
自分が異邦人であることに、安らぎを覚えるって変?
二度と来ない場所は、特に面白いじゃないか「失敗も成功のうち」。
店のオジちゃんやオバちゃんが、地図とにらめっこで、あーだこーだ。
「どこへ行きたいんだ」とオジちゃん。
「クリスト・レイだよ」
「車か?」 「バスだよ」
「陸路で行くのは難しいから、船着場に戻って、リスボンに帰れ。フェリーに乗り直せ」
「カイスドソドレか?」
「そうだよ、よく知ってるな。そこからフェリーに乗れ」
「わかった、ありがとう」
というような会話・・・だったと思う。
たぶん。
このオジちゃんと一期一会の会話、いいねぇ、うれしいねぇ。
この団地は「シダーデ・ド・ソル(太陽の町)」らしい。
バス停で寝ている犬もカワイイ。
「クリスト・レイ」なんて、どうでもいい。
この会話、この犬が旅の宝物だ。

帰ったぞー、リスボン。
いつも通る市電のルートに、国立古美術館があるみたい。
美術に興味はないが行ってみようっと。

あっ、またやっちまった。
美術館だと思っていた建物は、国会議事堂だった。

すぐ近くにエストレラ聖堂がある。
外からは何十回も見たが、入ってみるか(タダだし)。
正面から入り、次の大きなドアの向こうが高さ30mの礼拝堂ドームらしい。
横を見ると、小さなドアが開いている。
正面よりも側面を好む、マニアックな性格。
当然こっちだろ。
横の通路を入って行くと、正面に小さな部屋。
何かやってる。
覗くと、こじんまりした、でも美しい礼拝堂みたいだ。
神父さんが話をし、20人くらいが聴いている。
やったぞ、ミサだ。
ドアの近くの女性が、チラッとこちらを見たが、すぐに正面に向き直った。
みんな黒っぽい服を着ている。
神父さんの前の長い箱には白い布……エッ!本物の葬式?
目頭をおさえて、泣くふりをして横のトイレに。
でも、バレバレか、赤いシャツにGパンじゃぁね。
正面に戻り、礼拝堂ドームに入った。
とても立派で、厳かだが、本物の葬式には敵わない。
見ず知らずの方の冥福を祈る 観光客であった。

香港の中年(?)姉妹のとなりのテーブルで昼食。
「味はどう?」と、小声で聞かれて
「うまいけど、少し塩っぽい」「こっちも、そう」
「これからどこへ?」「サン・ジョルジュ城へ」
「寒いから気をつけて」「ありがとう」
アドバイスしちまったぜ。

闘牛場へ行ってみた。
昨日の「カンポ・グランデ(大きな畑)」の近くの「カンポ・ぺケーノ(小さい畑)」にある。
シーズンは4月~10月なので、今はやっていない。
赤いレンガのロシア正教会か、トイザラスみたいで、少し笑える。
中の通路から天井が見えた。
エッ、太陽の下でやるんじゃないの?
ガードマン以外は、誰もいない(当然か)。
あれ、地下がある。
降りてみよう。

なんじゃ こりゃ~~~~。

人・人・人・人・人 ひとでいっぱい。
大きなフードコートに、ショッピングモール、映画館もある完全なアミューズメントスペース。
100年以上前の建物の下を、開発商業地域にするとは
「黄昏の国」の看板を下ろしてもらおうか(そんな看板は上げてない?)。

2年前に滞在したホテルは、この近くのはず。
その目の前にグルベンキアン美術館がある。
美術に興味がないので(しつこいですか?)2年前には行かなかったが、行ってみよう。

超大金持ちの石油王、グルベンキアンさんが集めた、世界中の宝物があるらしい。
4ユーロ(500円)安い、さすが金持ち。
6時までという事は、1時間半か、ザッと見るだけだから充分だろう…って、
あるわあるわ、どんだけー!!
個人のコレクションだから、趣味が片寄っているが、その分徹底している。
エジプトの出土品を前菜に、ペルシャのカーペットの洪水、
一つだけでも建売が買えそうな、やきものがズラリ。
東海道五十三次も、ひと揃えある(らしい)、見事な細工の印籠(INROと書いてある)が、
夜店の陳列のごとくに並んでいる。
蒔絵の小箱もズラーリ。
これが、ここにあることが悔しい。
政治家さんよ、名所、旧跡と宴会の「研修旅行」もいいけど、ここにいらっしゃい、ここに。
別棟は、文化施設になっている(「ダーウィン展」をやっている)。
コンサートホールも2つあるし、野外劇場もある。
財団は、オーケストラと合唱団も持っている。
日本の財団よ、まろは口惜しいぞよ。
オーケストラのコンサートは4000~2000円。
フィラデルフィア管弦楽団の公演も、日本では2万円、ここでは6000円だってさ。
お金持ちは、気前がいいねぇ。スシ食いねぇ。

オ~~、外は木枯らしだぜ。