ちゃ太郎の足跡
気ままの日記
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ちゃ太郎の リスボン日記 14  2009.3.30 

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3月30日 よる

「カルドヴェルデ」は休み。
「ルーゾ」へ。
ダニー・デビートが遠くから呼び込むので、
「オレだよ。」と言ったら、
「マフラーしてるから、分らなかった」なんてね。

入ると、あの“団体向けショー”の最後の方だった。
ボーイの一人が「この店で、モースト・フェイマス・ジャパニーズ」と言い、
ワインを頼むと「これを頼んだのを、覚えているよ」と、
ワインのハーフボトルを持ってきた。
3回目にして、大出世だ。
そして今日は、ついに、かぶりつきの席になった。
シウバのギターラと、あの兄貴のヴィオラのチョーチョーハッシのかけ合いは、
実にスリリングで、歌手のことを忘れてしまう。
これが「真打競演」だよ。
若い男性歌手も、声量はないが格調高い歌いっぷりだ。
ギターラのシウバが引っ込み際に、気づいて握手してくれたが、
ギター用のツメを付けたままで、ちょっと痛かった。
これも勲章のウチ。
インターバルの後は、あのオバちゃま。
1mの至近距離で聴くと、確かにうまい。
テクニックがあるから、超絶技巧の曲を選ぶ。
そして見事に歌いこなす。
声が全盛期の頃は、きっと凄かったに違いない。
隣のカップルが、視線を送ってきた。
よく見ると彼女は妊婦だ。
6ヶ月とのこと。
ポルトガル人かと聞いたら、カリフォルニアだと言う。
去年日本に来て、東京、横浜、鎌倉を周ったらしい。
「胎児にファドを、かぶりつきで聴かせるなんてシャレてるね。」
と言うと、親指を立ててニッコリ。
フィリップのそつない歌を聴いて、
妊婦のオナカにむかって手を合わせて健康を祈り、
これが最後かと思って、店の空気を思い切り吸って表へ出た。

地下鉄の長~~~いエスカレーターの下で、
若いカップルが、濃厚な愛の時間を過ごしていた。
彼の方が、降りて来た私を見たので、親指で合図したら、ニッコリ笑ってうなずいた。
今までいろんな人に応援してもらって来たが、こんな所で応援する側になろうとは。
早く帰って、寝ようっと。