ちゃ太郎の足跡
気ままの日記
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ちゃ太郎の リスボン日記  10 2009.3.28

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3月28日 よる

「あの~日本の方ですか?」
バイシャ・シアードの駅のエスカレーター前、
若者2人のうちの1人(香取慎吾似)から声をかけられた。
韓国人かなと思っていたので、驚いた。(リスボンで日本人に会う事は少ない)。
長野出身の友達同士。
立ち話も何なんで、人影も少ない(土日は休みの店が多い)レストランで、ビールで乾杯。
大学4年生らしい。
私と同じく成田事故の日に出発、スペインの親戚経由で3日前にポルトガルに来たらしい。
話しているうちに、彼らからトドメの一言、
「ファドに興味があるんです。」
「案内しますぞ、オジさんについてらっしゃい!」

勇んで「カルドヴェルデ」に。
彼らはTシャツで寒そうだ。
「さっきのバイシャ・シアードが銀座・六本木で、バイロ・アルトは歌舞伎町だよ」
などと得意げな私であった。
店頭でアントニオに紹介、初めてワインのフルボトルを注文する。
(弱いのでいつもはハーフボトル)
あの香川有見おねえさまは、やっぱり、やっぱり上手いね。
異国の地で、知らない日本人と素性を明かさずにポルトガルの話、ファドの話をするって、
サイコーだよね。
アントニオが昨日帰りがけに口ずさんだ所を、後で歌えと言ってきた。
「スィン オブリガード」やったぜ。
次は、あの若い娘だ。
いいよ、いいよ~。マチガイない。
日本の若者もファドの魅力が少し分かったのか、
それともその娘の魅力が分かったのか、聴き入っていた。
「いいだろー?」 「はい、いいですね」 若者は正直だ。

インターバルで団体(多分ドイツ人)が入って来た。
私の出番は無くなったかと思ったのだが、
歌い始めたアントニオが、2曲目のサビで私を呼んだ。
心配だったのか、耳元で歌詞を囁いてくれたが、
シャウト(雄たけびとも言う)が見事にキマッた。
拍手喝采。
若者にも「カッコよかったですよ。40秒ぐらい歌ってましたよね、すごい」と言われ、
無邪気に喜ぶオジさんであった。
「寝床」の効果もあったかもしれないけどね。
12時半頃、店を出て歩いた。
Tシャツの若者には申し訳なかったが「寒風が気持ち良かった」

世界で一番ファドが聴かれている国らしい、日本。
それは、アマリアどっぷりのファド。
アマリアから解放されつつある、ポルトガル。
名前も知らない二人の若者、香取慎吾君とカイト君(誰も知らないか?)。
ファドを よろしく。

ちゃ太郎の リスボン日記  9 2009.3.27 

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3月27日 ひる

ホテルのブレックファースト、周りから聞こえてくるのはドイツ語のみ。
ドイツ人にとってのポルトガルは、日本人にとってのハワイと同じみたい。

バスで、一昨日たどり着いた終点(B.P.クルズという所らしい)に行ってみた。
今日も、教会の白壁の藤がまばゆくも優しい。
あのパステラリアに行く。
笑顔だ。
コーヒーと水(ボトル)と大きなケーキで250円(安い)。
表ではオバちゃんが、若い娘たちに大声で説教してる。
娘たちはテキトーに聞いている。
オジさんたちは「いつもの事さ」風に苦笑い。

バス亭から、ちょうど来たバスに乗る。
どこに行くのだろう。

走り続けて、あっ、スタジアムだ(サッカーチーム「スポルティング」の本拠地)。
ということは、地下鉄カンポ・グランデ(大きな畑)駅だ。
幅200m、長さ1200mの公園があるとガイドブックに。
これかい?確かに幅200m。
しかし両側は道路で、車がバンバン。
これじゃ、やたらに広い中央分離帯だね。
でも、緑は多い。
ひな菊とシロツメ草のじゅうたんに、やしの大群。
着陸の為に真上を通過する旅客機、
池には鳩と、その10倍くらいあるバカでかいカモの熱い視線。
ベンチには寝乱れたオジさんたち。
別の池の周りは、じいさんたちの楽園(収容所)、
池の中央には、ヘルメットをかぶったような、でっかいオッパイ。
子供たちは囲いの中で、ガードマンの見張りつきで遊び、
じいさんたちは囲いの外で、誘拐の危険に晒されている。
1200mの緑の老人ホームを抜けると、街角に日の丸をあしらったレストラン、
その名も「サムライ」(ノーコメント)。

地下鉄で、市の中心部バイシャ・シアード(銀座、六本木)に。
表にテーブルを並べたレストラン通りを2往復する、が、
どのボーイもオレには声をかけない。
他の観光客には、しつこいぐらいに声かけしてるのに。
仙人のように見えるのかも。

よし、こうなったら動物園に行こう(意味不明)。
動物好きではないので、昔遠足で行ったか、家族で行ったぐらいで、
一人で行くのは初めてかも。
地下鉄を降りて、動物園のゲートへ。
ガイドブックでは15ユーロ(1900円)、
でも物価上昇が激しいので20ユーロになってるかも。
あれ、受付のシャッターが閉まってる。
ゲートは開いていて、子供づれが自由に出入りしている。
やったぜ、今日は何かの記念日で解放されてるんだ。
入ってみると、右の小さな遊園地は動いていない。
でも、そのそばにはワニの池。
あちこちで工事中。
そうか、工事中だからタダなのか。ラッキー!

レストランに入った。
平日の2時、100人は入りそうな所にお客は3人。
一人で切り盛りしているオジさんに、いろいろ頼んで腹一杯。
それで11ユーロ(1300円)。
店を出る時、オジさんに「今日はどうしてチケットなしで入れるんだ?」と聞いたら、
「ここは動物園じゃない。公園だ。いつもタダだ。動物園はあそこだ。」と
50m先のゲートを指差した。

16ユーロ払って「動物園」に入った。
広いね~。
午後2時30分。
どいつもこいつも、揃って爆睡中。
くしゃみの発作で、しばしベンチに釘付け。
サルの上下関係の厳しさを目の当たりに。
ヘビを見て思う。
神の存在を一番信じていないのは、彼らだろう。
客の殆んどいない一番奥の3頭の熊、広すぎる青空熊舎で、ドテーっとのびている。
その奥は、何とここで死んだ動物たちの霊園。
10才以上は少ない。ストレスが多いのかなぁ。
入園者が少ないので、動物と二人っきり(?)になると、つい話しかけてしまう。
オバマや、北朝鮮や、定額給付金の話などはしないけどね。
アッシジのフランチェスコも、鳥に話しかけていただけかも。
それを信者が「鳥と話が出来る」と勘違いして、伝説になった(伝説とはそんなもの)。
ウチのかみさんも、飼い猫のミミとよく会話しているが、伝説になることはないだろう。

園内一周のゴンドラがあった(立って乗る、二人乗りのリフトで、けっこう怖い)。
普段のオレは乗りません。
しかし、動物と会話した後なので、よし乗ろう。
階段を駆け上がったら、上の黒人の係員が「ダメ」の合図。
何?年令差別か、あのじいさんも乗ってるじゃないか、それとも人種差別?
エッ、サイダー?持ってないぜ。
エッ、サイーダ?あっ、サイーダ(出口)。
ハイハーイ、向こうから出直します。
ハ・ハ・ハ・ハ笑ってごまかす日本人のオヤジだった。
このゴンドラは超オススメ。
動物園だけじゃなく、あの公園部分の上も通過し、現在、立入禁止地域も通過する。
何とそこにラクダが3頭(パンフには載っていない)。
ラクダがいたんだ~。

初の“ひとり動物園”に3時間も。
ありがとう、アッシジのフランチェスコ。

ちゃ太郎の リスボン日記  8  2009.3.27

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3月27日 よる

アントニオが、3日前の席(階段の下)に案内してくれた。

あの、おねえさまは、やっぱりうまい。
それも並みのうまさではない。
粗さがしの得意な私にも、粗が見つからない。
ファド歌手ではないが、香川有見さんぽい。
ファドは、西洋、東洋、南米、アラブなどの合体なので、めまぐるしく微転調する。
そのポイントを的確に押さえて、あとは自分流に大きく歌いくずす。
いいファディスタは、何気なくくずしていてもポイントは外さない。
香川さんのファドは、安心して聞いていられる。

2人目はアントニオ。
私を「アミーゴ(友人)」と紹介、
しかし、まだ「シャタ」という名前は思い出さない。
こっちも意地になって教えない。

そして3人目の若い女性。
すご~~~~い、こんなのがいたのか。
彼女はいいねー。
まだ粗削りだけど、磨けばいくらでも光そうだ。
バツグンの押しと引き、そのそれぞれが生きている。
なぜ「カルドヴェルデ」にはいい歌手が来るんだろう。

そう言えば、今日は「カルドヴェルデ」で「カルドヴェルデ」を始めて注文。
2年前は「カルドヴェルデ」がスープの名前だとは知らず(意味は緑のスープ)
8日も通って、一度も注文しなかった。
ポルトガルの定番スープで、日本ではワカメのみそ汁か?
ここのは、タコが一切れ入っている。
これがうまい。

帰りがけに店の外で、
アントニオの十八番「壁にも言わない」を、彼の耳元で囁いたら
「アミーゴ!」と言って抱きしめてくれたが、
まだ「シャタ」は思い出さない。

ちゃ太郎の リスボン日記  7  2009.3.26

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3月26日 ひる

やっちまったぜ!
昨日の森林浴をもう一度と思い、
今日は、コロンボ・ショッピングセンター前から、ベレン方面行きのバスに乗った。
これが悲劇の大誤算。
激混みの立ちっぱなし。
しかも気温が異例の26度、若者はTシャツ、
こっちは朝夕の寒さに備えて冬用のジャケット。
「軽井沢ガマン会ツアー」となった。
終点近くの人体モニュメントは、高さ2m、円空仏のような彫りかげん。
でも、暑くて悟れねーよ。

パステラリア(田舎の駅スタンド)で、コーヒーとベーコン揚げパンを食べて、
市電15番で市内に戻り、混んでいる市電28番に乗り換えてエストレラ方面へ、
というヒマとしか思えない行動をとる。(これがパックツァーにはないDAIGO味)
終点の墓地まで行くはずが、エストレラ聖堂前で運転士が降りてしまった。
2年前にも、同じ事があった。
市電は運転士の気分でやっているのだろうか。
みんな降りたところへ運転士が乗り込んで、降りなかった2人の客を乗せて出発。
いやがらせか?歩こう。

目的地は、坂道を登ること7分の所のパステラリア(田舎の…)。
昨日立ち寄ったとき、思った以上にデカいチキンカツサンドと悪戦苦闘していたら、
近所のオバちゃん達が、ソパ(シチューのようなスープ)を食べはじめ
「うまそうだな~」と思い、今日の予定に入れておいた。
“やさしさのかたまり”のような店主は、昨日の日本人を覚えていて、
ニッコリしてくれた。
(ポルトガル人は、初めての人にはニッコリしない。)

「ビカ(珈琲)と〈日本語〉ソパ ポルファボール(おねがい)
おお〈日本語〉クロケット、ドイス(コロッケ2個)ポルファボール。」
野菜クリームシチューのようなソパ、うまかった。
コロッケもうまいが、小さいのにかなりの重量感で、けっこう苦しい。
見た目で、あなどってはいけないね。
汗だくの ニッコリ「オブリガード」となった。

一回目は不審人物、2回目は常連気分になれる。
いいねぇ ポルトガル。

※ 画像ー3は、岐阜羽島駅前の「円空仏」で、リスボンのものではありません。